マーケティングツールのひとつとして、SNSを活用するのはもう当たり前の時代になってきています。とはいえ、企業としてSNSを最大限活用するには、様々なリスクやハードルがあるのも事実。

そうした課題に向き合いながらもユーザーとのコミュニケーションを積極的に取ることで、新たな発見や想定外の価値を見出す事例があります。

今回は、誰もが知っているであろうオーディオブランド「Pioneer(パイオニア)」の Twitter運用と「SocialDog」活用の秘訣についてお話を伺いました。

幅広いユーザーの「くらし」と「こだわり」に応えたい

──「Pioneer」では主にどのようなサービス・商品を取り扱っていますか?

オーディオビジュアル関連商品を取り扱っています。幅広いユーザーのニーズに応えるため、様々なコンセプトのもと技術開発から、デザインや細部の仕様までこだわった商品を数多くつくっています。

──現在、特に注力している商品はどのようなものですか?

昨今注力しているのは、アプリ操作や音声操作のできるワイヤレスヘッドホンなど、誰もがスマートフォンを持つ時代に適した商品です。また、オーディオ技術を活かし、音が聞き取りやすいシニア世代向け電話機などの商品開発を行っています。

一方で、お客様の中にはハイスペックな商品に期待を寄せてくださるファンの方も多いので、性能にとことんこだわったハイエンドな商品開発にも力を入れています。

このように、Pioneerのユーザー様は老若男女幅広く、様々なニーズを持たれています。私達は長年ユーザー様と向き合い、「くらし」と「こだわり」に応えるものづくりを続けてきました。だからこそ、Twitter運用もより深くユーザーのリアルに切り込みたいという思いではじめました。

「中の人」はデザイナー?!兼任によって生まれる想定外の価値

──「Pioneer オーディオ公式」アカウントの「中の人」について教えてください。

「中の人」をしている私は、マーケティング本部でデザイナーとしての業務と並行しながらTwitterの運用を行っています。元々SNSについて詳しかったというわけではありませんでした。

1年半ほど前に、若い世代に向けた施策のひとつとして社内でTwitter運用を提案したのをきっかけに、そのまま担当者となり運用することになりました。

──デザイナーの仕事とTwitter運用の仕事は一見かけ離れているように感じますが、抵抗はありませんでしたか?

たしかに業務内容は全く違います。デザイナーの業務は、実際の商品のコンセプト設計から素材・色・形状などを検討していく「ものづくり」の仕事です。 始めた当初は、Twitterについてわからないことだらけだったので苦労しながら進めてきた部分もありました。でも、Twitter運用を通して自分がデザインした商品がお客様の生活の一部になる様子を垣間見ることができたり、それまでなかなか聞くことができなかったお客様のリアルな声をダイレクトに受け取ることができるので、兼任することで「商品へのフィードバック」になると実感しています。

また年齢や感覚的に、私自身がTwitter運用でターゲットとするお客様と近いことも、運用に活かせている部分があると感じています。

Twitterの運用は私が担当していますが、部署内に結成された「SNS編集部」のチーム体制があるので、一人で暗中模索しながら抱え込むような状況にもならず、みんなで試行錯誤しているので心強いです。

Twitterの距離感によって、公式アカウントはコアなファンと新しいユーザーの接点になる

──「若い世代に向けた施策のひとつ」とのことですが、Twitter運用の目的をもう少し詳しく教えてください。

ひとつは、より多くの人にPioneerのオーディオ製品の魅力を知ってもらうこと。特に Twitterを日常的に使っている若い世代の方々に知ってもらいたいです。

もうひとつは、今すでにPioneerのオーディオ製品を好んで使ってくださっているお客様と密度の高いコミュニケーションをとることです。

Twitterは他の発信方法に比べて、話し言葉やノリがユーザーとの距離感をより近づけてくれる特性がありますので、Pioneerブランドへの親密感や愛着心をもっていただける場にしたいと思っています。

Pioneerのオーディオ商品の既存ユーザーは、いい意味でオーディオ機器にこだわりが強いコアなファンが多いので、そうしたファンのみなさんと、まだPioneerの商品の魅力を知らない方々が、当アカウントを通じて情報共有をしたり新たなムーブメントが巻き起こったりするとうれしいですね。

──そうした目的を達成するにあたり、どのような数値目標を設けていますか?

フォロワー数、エンゲージメント率、インプレッション数など、基本的な数値目標や水準は設けています。しかし重要視しているのは、同じエンゲージメントでも「どんな反応なのか?」「発信した内容がユーザーにどう受け止められているのか?」という部分です。

──そうした「ユーザーの反応」の中で印象的だったものはありますか?

たくさんありますが、例えばお正月の投稿ではオーディオ機器を鏡モチに見立てた画像を作成し投稿したところ、それまで以上にリツイートやいいね数が伸びました。遊び心のあるツイートはより親しみやすくユーザーからの反応を得られやすいことが改めてわかりました。

また、「あるあるネタ」はコアユーザーをはじめとし、突っ込みや共感を得やすい投稿です。ただし、メーカーとして商品の安全や商品の動作条件への逸脱を助長するような写真を投稿すべきではありませんので、その点は意識しなければなりません。

ただ情報発信するだけでなく反応をみることで、改めて注意しなければいけないことを再認識したりすることもあります。

──ユーザーとはどのような相互コミュニケーションをされていますか?

お決まりにしているのは「おはよう」のあいさつツイートです。私にとってもユーザーにとっても会話しやすいので、まずはあいさつし合って親近感を感じていただければと思っています。

ユーザー側からは、商品情報の問い合わせがTwitterを通して届くこともありますよ。Twitterでいただく問い合わせは、他のユーザーの方々もリアルタイムで気になっていることも多いと思うので、社内に吸い上げてから対応を検討し、お返事しています。

手探りの運用だからこそ、「SocialDog」は初期から導入し業務効率化を図った。

──ユーザーの反応をひとつひとつ見たり、密なコミュニケーションをとったりするのはとても工数がかかりますが、デザイン業務との両立は難しくないですか?

たしかに最初は、はじめてのことが多かったので難しいと感じることもありました。そこで、あえてかなり初期の段階で運用ツールの導入を検討しました。

SocialDogを導入したことで、効率化できるところは効率化し、ユーザーとのコミュニケーションや分析に時間を使うことができるようになりましたし、それまでの業務との兼任も軌道に乗せることができました。

──運用ツールの中で「SocialDog」を選んだ理由を教えてください。

「ほしい機能がそろっていて」「わかりやすく」「シンプルで」「日本語」だったことです。

複雑な機能は最初から使いこなせないと思ったので、基本的な数値目標を追えることと、予約投稿がしやすいことに重きを置いて検討しました。いくつかのツールを無料で使ってみた結果、Twitter運用初心者の私でも一番つかいやすいと感じた「SocialDog」に決めました。

また他のツールも見てみましたが、使用言語が英語であったり、機能やページ表示が複雑だったり、初めて導入するのには少しハードルを感じました。

──特に役に立っている具体的な機能はありますか?

まず、毎朝「SocialDog」のダッシュボードをチェックすることは日課になっています。数値の変動が一目でわかるので、とても役に立っています。

また、予約投稿機能もとても役に立っています。他の媒体と比較して情報発信のタイミングがタイムリーなSNSだからこそ、適切なタイミングにお客様へ情報をお届けできるのはありがたいですね。

企業がTwitterアカウントを運用するリスクやハードルは、ツールを活用することで越えられる部分も多い。

──大きな企業や歴史あるブランドであるほどTwitterの運用にはリスクやハードルが高い部分もあると思いますが、「Pioneer」のTwitter運用開始にそうした壁はありましたか?

もちろん、リスク回避は重要な課題だったので、初期の段階では社内で投稿内容の確認を厳重にしていました。しばらく運用していく中で決まり事は調整して、現在ではある程度自由に投稿内容を決めて運用しています。

また、人員や工数の確保も会社としてはハードルになりますが、私の場合はデザイン業務との兼任によって、それまで得られなかった経験や視野の広がりに繋がり、業務に活かせることができました。早い段階でツールを導入したことで業務効率化が実現したため、そのハードルを越えることができたと思います。

発信するだけじゃない。ユーザーの声に触れて吸い上げていくことがTwitterの醍醐味。

──これからのTwitter運用の展望を教えてください。

まずは、やっぱりユーザーのリアルな声にもっと触れていきたいです。買ってもらうことがゴールではなく、その後のくらしの中でいかに愛される商品であるかが重要だということ を、Twitterの「中の人」になって改めて感じています。

そうしてくらしの中での商品の在り方や、ユーザーの声を吸い上げていき、それが商品開発において、新しい発想をもたらすようになったら、デザイナーという立場としてもうれしいですね。

──最後に、Twitter運用を通して見出したおもしろさはありますか?

Twitterを通したマーケティングには、「伝わる瞬間」「届く瞬間」をつくる面白さと、そうして「伝わったその先」「届いたその先」まで垣間見ることができる面白さがあるとおもいます。

Twitterの企業アカウントの運用は難しいところもありますが、そうした面白さを楽しみながら今後も「中の人」をやっていきたいと思います。


SNSをひたむきに活用することによって、企業と消費者のつながりはより強固にすることができる時代になった一方で、リスクやハードルを大きく感じる部分は必ずあります。

しかし、ひとりひとりのユーザーと向き合う姿勢をもち、密なコミュニケーションを地道に重ねていくことと、ツールをつかって効率化することで、そうした課題は乗り越えられるということが今回の取材で改めてわかりました。

「SocialDog」は無料でいますぐお試しいただけるTwitter運用ツールです。すでにTwitterを運用しているという方も、してみたいけど不安があるという方も、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか?