企業がSNS運用を行う上で必ずと言っていいほどリスクに感じる「炎上」。昨今でもSNSでは様々な炎上が起こっており、炎上事案は拡散力が強いため、企業のブランディングや事業運営に非常にネガティブな影響が起こり易いと言えるでしょう。
企業のアカウントで炎上した場合は、対応の内容次第でさらに炎上してしまう可能性もあるため、炎上することを想定した対策を事前に考えておかなければなりません。逆にもし企業のX(Twitter)アカウントで炎上してしまった時でも、企業が適切な対応を取れば早急にリスクを減らすことも可能です。
そこで今回は企業のX(Twitter)運用における炎上対策とその予防方法について紹介します。企業のX(Twitter)運用で炎上を防ぐためには、事前の準備や炎上してしまった場合の対応を社内で共有しておくと良いでしょう。
X(Twitter)の運用における「炎上」とは
炎上とは、特定の対象に対して批判や中傷が殺到し、収まりがつかない状態を指します。シエンプレ株式会社の「デジタル・クライシス白書」によると、2021年に発生した炎上件数は1,766件で、そのうちの33.5%は法人アカウントで起こった炎上でした。
引用:[スマートワーク総研]
炎上するきっかけは特定の投稿内容に対するユーザーの反応です。ユーザーが投稿に対してどんな意見をもち、どのように拡散されるかによって炎上の原因や対応方法が変わります。
ここからは炎上が起こる要因についても紹介します。
炎上が起こる要因とは|企業アカウント以外にも炎上の危険性は含まれる
炎上が起こる主な要因は以下の3つです。
- 企業アカウントの投稿内容
- 企業で発生した不祥事
- 企業に勤める従業員の投稿内容
ここから分かることは、企業のアカウント上の投稿以外にも炎上の要因はあるということ。
企業アカウントを運用する担当者が防げる対策は、企業アカウントの投稿内容に関することであり、その他の要因に関しては会社全体で対策していかなければなりません。
企業におけるSNS運用とは、SNS担当者だけの問題ではないということを理解しておきましょう。
炎上を防ぐための予防策3選
炎上を防ぐ予防策としては、下記の4つが挙げられます。
- 触れない方がよい話題について知識をもつ
- 企業アカウントの投稿は複数人で管理する
- アカウントの運用ルールを作る
- 従業員に対してSNS発信における注意喚起を行う
それぞれ詳しくみていきましょう。
触れない方がよい話題について知識をもつ|公式アカウントは企業の代表
触れない方が良い話題というのは、人によって思想や立場が異なる話題です。例としては以下のとおり。
- 政治・宗教
- ジェンダー・性差別
- 時勢
- 不祥事
特に政治や宗教、ジェンダーなどのセンシティブな話題はできるだけ避けるか、表現に細心の注意を払いましょう。企業アカウントの意見は会社の代表として発言しています。
人によって考え方が分かれる話題に対して片方を擁護するような意見を述べてしまえば、論争の火種になりかねません。
また、投稿のタイミングにも注意しましょう。例えば時勢を取り上げる場合、投稿を上げる日に何か大きな事件や事故があった場合、投稿の内容によっては「不謹慎」と捉えられ炎上につながる可能性があります。
注意したい投稿日については、以下の記事も参考にしてみて下さい。
→ X(Twitter)の企業アカウントにおける炎上時の対応策と炎上を予防するための方法
炎上する可能性を考え、話題を選びながら発信することが重要です。
企業アカウントの投稿は複数人で管理する|投稿前に気づける環境づくり
企業アカウントを運用する際は、複数人で管理しましょう。投稿する前に2人以上のチェックが入ることで、炎上につながるリスクを少しでも緩和することができます。
また複数人で管理をしていれば、万が一炎上した際もすぐに気づいて対応できる可能性が高まります。
アカウントの運用マニュアルを作る|投稿に関する共通理解を深める
企業アカウントに関する運用マニュアルを作成しておけば、担当者が変わってもトラブルなく運用を進められます。
運用マニュアルとして決めると良い項目は以下のとおりです。
- 投稿のテンプレートや投稿時間
- フォロワー管理
- 禁止ワード
- 管理体制・ログイン情報
- トラブル時の対応
あらかじめ炎上を予測した対応策のルールやマニュアルがあれば、問題が起こった際もスムーズに対応ができます。
また、禁止ワードなどをまとめたチェックシートなどを利用すれば、避けるべき内容や注意点を確認してから投稿できるでしょう。
従業員に対してSNS発信における注意喚起を行う|会社全体の意識改革
従業員の個人アカウントからの炎上を避けるために、会社全体にSNS発信における注意喚起を行いましょう。
業界ごとの炎上事例や、行動別に起こりうる炎上の可能性、投稿において気をつけるべき項目などを学ぶために、役員からアルバイトまで段階別に研修を行うのもおすすめです。
会社の社員教育の一環としてSNSに関する教育環境を整えましょう。
万が一炎上が起きてしまった場合の対応策|状況に応じて行動が変わる
炎上が起きてしまった場合は、冷静に状況を分析し適切な対応をとることが大切です。
そのため、炎上が起きた場合に最初に取るべき行動は報告と共有です。なぜなら投稿文の何が悪かったかを把握しなければ、今後の対応すべき行動が分からないからです。
慌てて炎上元の投稿を削除してしまえば、「逃げた」と判断され、さらに炎上する危険性があります。
状況を社内で共有し、次の行動を判断してから対応に移るようにしましょう。
炎上が起こってから対応するまでの手順|内容によっては沈静化を待つ
炎上が起こった場合の対応は以下のように分かれます。
炎上に関する対策で大切なのは、企業・団体として一貫性のある対応です。
謝罪をする場合は何が問題だったのか、その解決策として今後どう活動するかなどを明確に提示し、誠実な対応を見せることが重要です。
また企業の投稿ではなく、自社に関する話題でユーザー同士で論争になっている場合は、沈静化を待つことも効果的かもしれません。片方を味方するような発言で謝罪をすれば、さらに炎上する危険性もあります。
炎上の内容によって取るべき内容が異なるため、過去の炎上事例を参考に、対応すべき項目を把握しておくのも良いでしょう。
まとめ
今回はX(Twitter)の企業アカウント運用に関する炎上対策について紹介しました。X(Twitter)は拡散性が高く、ひとつの言葉の使い方で大炎上してしまう場合もあります。
特に企業アカウントであれば、炎上に対する予防意識を常に持って運用を進めなければいけません。100%炎上を防ぐ術はありませんが、対策を行えば可能性を減らすことはできます。
炎上に対する予防や対策をしっかりと行い、X(Twitter)運用に取り組みましょう。