基礎
炎上対策
投稿日2023.07.28
更新日2025.04.23
炎上リスクを回避する「日付」と「過去の炎上事例」を注意点・対策とともに紹介

企業のX(Twitter)アカウント運用において、最も重大なリスクの一つが炎上です。
炎上は一度発生すると、企業のブランドイメージを大きく損なうだけでなく、顧客離れや売上減少など、事業全体に深刻な影響を及ぼします。
中でも、「投稿した日付」が原因で不謹慎とされるケースは珍しくありません。たとえば、震災や事件が発生した日に無神経な投稿をしてしまい、批判が殺到する事例が報告されています。
本記事では、企業アカウントを安全に運用するために、投稿前に確認すべき「注意すべき日付」とその具体的な炎上事例、そして予防策について解説します。
なぜ「投稿日」に注意する必要があるのか?
投稿内容だけでなく、「その投稿を公開する日が持つ背景」にも注意を払う必要があります。
- 記念日や追悼日にそぐわない内容を発信すると、不謹慎だと捉えられる可能性がある
- SNSでは「不謹慎狩り」と呼ばれるユーザーによる批判が発生しやすい
- 企業アカウントは個人以上に発言の影響力が大きく、社会的責任を問われやすい
炎上リスクの高い「注意すべき日付」と事例
1. 災害の発生日
震災や大雨、噴火などの災害が発生した日は、多くの人にとって特別な意味を持つ日です。そうした日に明るい話題や無関係な宣伝を投稿すると、「配慮がない」と批判を受けやすくなります。
出来事 | 日付 |
---|---|
東日本大震災 | 2011年3月11日 |
阪神淡路大震災 | 1995年1月17日 |
熊本地震 | 2016年4月14日 |
西日本豪雨 | 2018年6月28日〜7月8日 |
千葉台風15号 | 2019年9月9日 |
関東・東北豪雨 | 2015年9月9日〜11日 |
御嶽山噴火 | 2014年9月27日 |
口永良部島噴火 | 2015年5月29日 |
2. 戦争・テロに関する日
戦争やテロに関連する日も慎重に扱う必要があります。特に、第二次世界大戦や近代の大規模テロ事件に関する日は、軽率な発言や連想させる投稿は避けましょう。
出来事 | 日付 |
---|---|
原爆投下(広島) | 1945年8月6日 |
原爆投下(長崎) | 1945年8月9日 |
終戦記念日 | 1945年8月15日 |
アメリカ同時多発テロ事件 | 2001年9月11日 |
地下鉄サリン事件 | 1995年3月20日 |
事例:原爆投下日に「なんでもない日」と投稿し炎上
8月9日(長崎への原爆投下日)に「なんでもない日おめでとう」と投稿し、戦争被害者を軽視していると捉えられ炎上。企業は投稿削除と謝罪に追い込まれました。
3. 国際的な記念日(International Days)
国連が定める「国際〇〇デー」も注意が必要です。多くが社会問題やマイノリティ支援に関わるものであり、無理解な発信は反発を招きます。
名称 | 日付 |
---|---|
国際友愛デー | 2月4日 |
国際女性デー | 3月8日 |
国際カミングアウトデー | 10月11日 |
世界エイズデー | 12月1日 |
事例:カミングアウトを軽視したプロモーション
国際カミングアウトデーに「商品の秘密をカミングアウト」と宣伝し、差別や偏見と闘ってきた記念日を軽視していると炎上。企業は公式に謝罪しました。
炎上を避けるための実践的な対策
1. 注意すべき日付をカレンダーで管理
- Googleカレンダーやチームのスケジュールツールに記念日を登録
- 投稿前に「今日は何の日か?」を必ずチェックするフローを作る
2. 不謹慎狩りの傾向を知っておく
- 災害や追悼に関する時期は、どんな投稿でも批判される可能性がある
- 一見無害な投稿でも「空気を読んでいない」と叩かれることがある
参考事例:笑顔の写真投稿でも炎上
震災時期に女優が友人との写真を投稿し、「こんなときに不謹慎」と炎上した例も。
3. 投稿を控える選択肢を持つ
- 疑わしい場合は「その日の投稿を見送る」
- 重要なお知らせでない限り、投稿しないことが最善策の場合もある
4. 常に最新のニュースに目を配る
- 当日発生した事故や災害に投稿が重なっていないか確認
- 投稿の数時間前に再チェックする習慣をチームで共有する
まとめ|炎上リスクを最小限に抑えるために
企業アカウントのX運用において、「投稿する日付」も重要なブランディングの要素です。
過去の出来事や記念日を軽視した発信は、たとえ悪気がなくても大きな批判を受ける可能性があります。
安全に運用するためには
- 注意すべき日付の把握とスケジュール管理
- 過去の炎上事例から学ぶ
- 常に社会的背景に配慮する姿勢を持つ
炎上のない安全なSNS運用を目指すために、チーム内で共有しながら「カレンダー管理」と「配信前の確認フロー」を標準化しておきましょう。