基礎

炎上対策

投稿日2023.07.28

更新日2025.04.14

企業のX(Twitter)運用における炎上対策と予防法

SNSの拡散力は企業にとって強力な武器である一方で、誤った発信が「炎上」を招けば、ブランドイメージや事業運営に深刻なダメージを与えるリスクもあります。近年でもSNSをきっかけとした企業の炎上事例は後を絶たず、その対応次第ではさらなる批判の的になることもあります。

そこで本記事では、企業アカウントにおける炎上の要因と予防策、万が一の対応方法までを包括的に解説します。X(Twitter)を安全に活用するために、企業内での情報共有やルール作りの参考にしてください。

そもそも「炎上」とは?

SNSにおける炎上とは、特定の投稿や発言に対して批判や中傷が殺到し、コントロール不能な状態に陥ることを指します。

シエンプレ株式会社が発行した「デジタル・クライシス白書2025」によると、2024年に発生した炎上件数は1,225件、そのうち法人による炎上は312件で、全体の25.5%を占めています

炎上の主な原因とは?

企業の炎上には以下の3つの原因が多く見られます。

  1. 企業アカウントの投稿内容
  2. 企業で発生した不祥事
  3. 従業員の個人SNSによる投稿

このように、炎上の火種は企業公式アカウントに限らず、従業員や企業そのものの行動にも潜んでいます。
よって、SNS運用は一部の担当者だけで完結するものではなく、組織全体での対策と意識共有が求められます。

炎上を未然に防ぐための4つの予防策

1. センシティブな話題には触れない

以下のようなテーマは、思想や立場により意見が分かれやすく、炎上リスクが非常に高いため、慎重に扱うか原則避けましょう。

  • 政治・宗教
  • ジェンダー・性差別
  • 社会問題・不祥事
  • 時勢や事件に絡んだ内容

また、投稿のタイミングにも要注意。たとえば大きな事件が起こった当日に無関係な明るい投稿をすると、「不謹慎だ」と批判されることもあります。

2. 投稿は複数人でチェックする

SNS投稿前に2人以上の目で確認する体制を整えましょう。文言や意図に問題がないかを多角的に確認することで、リスクの芽を摘むことができます。

複数人で管理していれば、万が一炎上した場合の早期発見と初動対応にもつながります。

3. 運用マニュアルとガイドラインの整備

投稿ルールやトラブル時の対応を明文化し、全担当者が遵守すべき運用マニュアルを整備しましょう。マニュアルに含めるべき主な内容は以下のとおりです。

  • 投稿文のフォーマット/テンプレート
  • 投稿可能な時間帯
  • 禁止ワード一覧
  • ログイン・管理体制
  • 炎上時の対応フロー

ガイドラインがあれば、担当者が交代しても一貫性のある運用が可能です。

4. 社員全体へのSNSリテラシー教育

企業の評判に影響を及ぼすのは、公式アカウントだけではありません。従業員の私的アカウントによる投稿が炎上に発展するケースも多数存在します。

そのため、全社員を対象に以下のような教育を実施しましょう。

  • 業界別の炎上事例の紹介
  • 投稿時の注意点
  • SNS上での企業に関する言及ルール
  • 発言がもたらすリスクの理解

炎上が起きてしまった時の正しい対応フロー

炎上が発生した場合の初動対応は、その後の影響を大きく左右します。感情的に対応するのではなく、以下の冷静な手順を守りましょう。

1. 状況の把握と社内共有

まずは、投稿の何が問題だったのかを分析し、社内で共有します。原因を把握せずに投稿を削除すると「逃げた」と捉えられることもあります。

2. 対応の判断と戦略策定

  • 明らかに誤った投稿であれば、削除+謝罪
  • ユーザー間の論争の場合は沈静化を待つ
  • 必要であれば公式声明を出す

3. 一貫性と誠意を持った謝罪

謝罪を行う場合は、具体的に何が問題だったか・今後どう改善するかを明記し、誠意のある姿勢を見せましょう。

まとめ|「炎上しないSNS運用」はチームでつくる

X(Twitter)の企業アカウントは、強力な発信力を持つ一方で、言葉選びひとつでブランド価値が損なわれるリスクを伴います。

100%炎上を防ぐことは不可能ですが、

  • 投稿内容の精査
  • 組織としてのチェック体制
  • 社員教育
  • 初動対応のフロー整備

といったリスクマネジメントを行うことで、その可能性を大幅に軽減することができます。

企業としてSNSとどう向き合うか、今一度見直してみてはいかがでしょうか?

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