一般消費者向けのビジネスを展開されている企業や個人事業主の方は、サービスや商品に対する声を集めて改善に活かすかについて悩まれることが多いのではないでしょうか。男性用化粧品「BULK HOMME」の企画および販売事業を展開している株式会社バルクオムは、Twitter(現X)を用いていわゆる「ソーシャルリスニング」(ソーシャルメディアから消費者の生の声を収集、分析し、マーケティングに役立てる手法)を実現されています。Twitterを用いたバルクオムのマーケティング手法について、広報をご担当されている田部井様にお話を伺いました。
※2020年3月時点での運用方針
既存のお客様を更なるファンに!親しみのある交流の場としてTwitterを有効活用
バルクオムは、Twitterを一方的な発信の場として捉えるのではなく、親しみがある交流の場としてとらえてD2Cブランドならではの取り組みをされています。Twitterをどのような目的でどのようなポイントで運用されているのでしょうか。
──どのような目的を持ってSNSを運用されていますか?
もともとは代表の野口が、「自社ブランドをいかに認知してもらうか」という観点でTwitter運用を開始しました。当然運用担当がいるわけではないので、野口自身で運用していたと思います。
SNSに関しては、現在Twitter・Instagram・Facebookを利用していて、Twitter運用ではユーザーとの交流を密にとることを特に意識しています。Instagramについてはビジュアルでブランドイメージをつくっていく目的で、Facebookはビジネスパーソン向けに会社(バルクオム)の情報を発信していく目的で運用しています。
Twitter運用においては、フォロワーの数・変化数・エンゲージメントの平均パーセンテージをチェックしています。Twitter上で購入への導線をひくことは目的にしておらず、大きく3つを目的にしています。
①まだBULK HOMMEをご存知でない方に知っていただくきっかけになる
②TwitterでBULK HOMMEに興味をもっていただいて、別の機会に購入していただくための動機づけ
③既に使ってくださっている方に親近感をもっていただき、更に好きになっていただく
もともとは拡散させることに力を入れていましたが、現在、力を入れているのは③で、なるべくフォロワーさん等と交流をしたり身近に感じたりしていただけるように意識しています。色々な施策に取り組んでフォロワーは増やせてきたのですが、「本当に深く好きでいてくれるフォロワーさんなのか?」と考えるようになりまして、方針を変えてコミュニティのようなものを創ることを目指していますね。BULK HOMMEのことをプロモーションしてくれる深いファンをつくっていきたいと思っています。
既にサブスクリプションを使っていただいている方々には、購入していただくたびに購入金額の10%がポイントとして貯められる仕組みとなっている「マイレージプログラム」を導入させていただいておりまして、ポイントで購入できるグッズ(タオルやヘアバンドなど)を提供しています。こうした取り組みによって、定期購入をしていただいているお客様の継続率向上を目指していますね。
コミュニティやファンづくりの指標は、エンゲージメント、いいねの数に置いて判断しています。「ただ見るだけ」ではなく1アクションを取ってくれる方を増やしていこうと思っています。
──どのような体制で運用体制していますか?
現在は元々インターンでジョインしていて入社した社員が運用担当になっています。週に1回Twitter運用に関する打ち合わせをしていまして、方向性や施策、課題や進捗について共有及び改善をするようにしています。
──運用のこだわりは何ですか?
フォロワーさんやファンが離れないことが大事だと思っているので、いかに飽きさせないかという点には注意しています。BULK HOMMEに興味をもっていただいているとは思うので、化粧品に関する投稿はしていますが、様々な方向性に興味をおもちの方々に向けて幅広い投稿をするようにしています。例えば、サッカーやバスケットボール等のスポーツに関する投稿やファッションの投稿であったり、弊社オフィスがある麻布十番の食事についての投稿など、幅広いジャンルを投稿することで飽きさせない工夫はしています。また、幅広い投稿をすることによって、化粧品起点ではなくてもBULK HOMMEに興味をもつきっかけになってくれればと思っています。投稿する内容や時間について投稿ルールを決めるわけではなく、担当者の裁量で自由なタイミングで投稿するようにしています。
また、UGC(User Generated Content:ユーザーによって作られたコンテンツ)を増やすという観点では、「BULK HOMMEが生活に根付いて写真を投稿するのがかっこいい」という文化をつくりたいと思っています。投稿していただいた方は公式アカウントからリツイート(現リポスト)されると嬉しいと思うので、なるべくリツイートしたりいいねをしたりするようにしています。
フォロワーチェックの目的でSocialDogを導入し、現在ではソーシャルリスニングに活用
元々はSocialDogをフォロワー管理のツールとして捉えていたものの、徐々に考え方と使い方が変わってきたとのこと。どのような変化がおき、どのような使い方で成果に繋げられているのでしょうか。
──なぜSocialDogを導入しようと思ったのですか?
担当者1名体制でTwitterを運用しているので、1人で分析等をしていくのが大変だと感じてきたことがありました。フォロワーが伸び悩む時期がありまして、施策を考えていくにあたってまずアカウントの分析をしないといけないと考えた際に、何かツールがないのかと考え始めたことがきっかけでした。ツールを調べて比較検討した中で、SocialDogさんが一番見やすくて使いやすいと感じたので導入を決めました。当時一番知りたかったのが、「1日にどんなアカウントがどれだけ離脱しているのか、どんなアカウントがフォローしてくれているのか」だったので、その機能が搭載されているのかが重要な要素でした。
現在もフォロワーの推移は意識的に確認をしていて、会社が実施した広告等の施策に対応してTwitterのフォロワーがどう推移するかをチェックしていますね。
今は予約投稿機能を使えていない状況ではありますが、今後は今よりも計画的な運用をしていくべきかなとも思っているので、積極的に機能を活用していこうと思っています。
──現在はソーシャルリスニングにも注力
現在は、キーワードモニター機能を活用して「ソーシャルリスニング」にも力を入れています。メンズ向けのスキンケアブランドを展開しているので、ユーザーの声をいかに集めて商品を改善していくかが非常に重要です。そこで、キーワードモニターに「BULK HOMME」等のキーワードを登録し、ユーザーさんの投稿を通知してもらうことで、ユーザーの声を収集しています。商品に関する感想だけではなく、会社として実施した施策に対してどのような反響があるのかも収集していますね。
SocialDogを導入することによる効果とは
──SocialDogを導入して成果を見える化。1名体制でのモチベーション維持に効果
運用を1名体制でやっていることもありまして、誰も褒めてくれるわけではありませんし、一緒に悩んでくれるわけでもないんです(笑)ですので、自分の運用に対して「こういうフォロワーが増えているから大丈夫!」とか「間違ってないんだ!」みたいな形で自分を鼓舞できることができるので助かっています(笑)運用プロセスにおいては、大きな効果だと思っています。
──Twitterを用いてどのような運用・施策を実施していますか?
サッカー界のスーパースターであるフランスのエムバペ選手を、BULK HOMMEのグローバルアンバサダーに起用しておりまして、Twitterで「エムバペ選手をフランスまで応援しに行くツアー」のキャンペーンを実施いたしました。Twitter内で広告運用をするなどしまして、結果的に7000名程のフォロワーを獲得できました。
また、スポンサー関係の皆さんとコンテンツを一緒につくっていくような施策はうまくいっています。例えば、エムバペ選手が所属しているパリ・サンジェルマンFCがSNSを積極的に運用しているので、画像を使わせていただいたりタグ付けし合うなどしています。他にも、東京五輪から正式種目になった3X3のTOKYODIMEさんなどとコラボさせていただいています。こうした取り組みをすることでお互いのフォロワーにリーチができていると感じています。
──コラボ先の選定基準は?
基本的には弊社でアプローチさせていただいてコラボを実現しています。弊社のビジョンや商品のターゲットとなるユーザーさんにリーチするために、効果がありそうな会社様を分析して依頼するようにしています。先方のビジネスにも好循環を生み出せるような形で実施したいので、いわゆるwin-winになれるように考えておこなっています。先方のターゲット層と我々のターゲット層がかぶるように設計していますね。
──うまくいかなかった施策は?
応募するのに具体的な条件があるプレゼントキャンペーンは、全くうまくいきませんでした(笑)例えば、「ハッシュタグをつけて〜の投稿をしていただいた方にプレゼント」とか、「弊社の製品を〜のシーンで使っている写真をつけて投稿していただいた方にプレゼント」とか、ユーザーさんに求めることが多い施策は難しかったですね。
そのような失敗から、そもそもBULK HOMMEのアカウント自体が一方的な発信で「双方の交流」ができていなかったことが原因だと気づきまして、それ以降は先ほど申し上げた「親しみやすさ」みたいなものを意識するようになりました。極力コメントには返信するようにするなど、なるべく交流できるようには意識しています。
──ブランドビジョンである「メンズスキンケアブランド世界シェア1位」を実現するために、1人でも多くの人にブランドを知ってもらうためのアカウントを目指す
より認知を広げるためには、美容に限らずにどんどん企業様とのコラボをしていきたいと思っています。男性に支持されているアカウントさんとコラボして、広く認知を取れるようにしていきたいですね。BULK HOMMEは、肌が落ち着いてきた18歳くらいから40〜50代の男性まで幅広く使っていただきたいブランドですので、固定観念に囚われることなく幅広く発信していきたいと思っています。
先程お伝えしたとおり、「より深いファン」を獲得していくことが今後の課題だと思っているので、フォロワーさんとの交流が活発なアカウントは目指していきたいです。
D2Cブランドを展開するバルクオムは、ユーザーの反応を収集するためにSocialDogのキーワードモニターを活用し、エゴサーチを効率化することに成功されています。元々はフォロワーの管理を目的に導入したツールでしたが、利用していただく過程で可能性を広げていただいた事例です。 このように、SocialDogにはTwitter運用を効率化・最適化するための機能が数多く備わっています。ぜひ活用していただき、求める成果につながるTwitter運用を加速させてください。